~小学生時代の振り返り③~の続き
さて受検が確定し、どうしても○○部のある中学校に行きたいと言い切った息子。
不合格でも地元中学校もあるし・・・なんて思っていましたが、何とか合格確率を
上げなければならなくなってきました。
そこで、チャレンジの独学で頑張るより、やはり受検のプロにおまかせした方が良いのではないかと思いました。
私が教えるということは、能力的に不可能だったので・・・。
我が家から通える範囲で、公立中高一貫校の受検対策に対応している塾は2件ありました。
1件はこちらの田舎では大手となり、駅前の大通りに面していて、いつも夕方以降はその道は避けて通るほど送迎の車でごった返しており、あの騒動に巻き込まれるのは勘弁してくれということで、そちらは候補から外しました。授業内容も重要かもしれませんが、送迎のし易さや保護者のマナー意識も重要だと私は思いました。
もう1件は、駅前ですが大通りから少し外れた所にあり、規模もそれほど大きくなく中堅といったところでした。
5年生の夏休み前に説明会に参加し、特に違和感を感じなかったので入会することにしました。
塾の判断基準なんてはっきりいってわかりません。
選ぶのもこの田舎では2択ですし、違和感があればNO。なければGO。
けれど、説明会に参加すると周りはだいたいが3・4年生の保護者の方々。
中には1年生のご家庭もありました。
「5年生の夏休みからの入塾って、ひょっとして遅かったのか?」
中学受検という世界を知らず、一歩踏み入れた時点でビックリしました。
息子が入った小学5年生のクラスは1クラスで6人でした。
この校舎でこの学年は特に少なかったようです。
アットホームな雰囲気だったらしく、息子も楽しそうに通塾していました。
息子は最初、国語・算数の週2日からスタートし、6年生になってから理科を受講しました。
初めて塾に通うことになった息子には、友達も良い刺激になったようでした。
塾で知り合ったH君(のちに中学・高校を通しての親友)のことを
「H君ってすごい賢いんよ!難しい問題も全部できるんよ!」
「H君の話ってめちゃくちゃ面白くて。ウチの小学校にいないタイプやわ。笑」
「なんかH君に負けたくないって思ってきた!」
息子を迎えに行くと、帰りはほぼH君の話になりました。
息子の通った塾では、模試の結果はお互いに『見ない・見せない・聞かない』
が原則となっていました。結果の順位もわかりません。
気になる保護者には、先生から個別で教えてもらえたようです。
もちろん、成績優秀者の張り出しというシステムもありません。
一方、パスした方の塾では都会の大手と同じように、模試の結果によりクラスの入れ替えが行われ、成績優秀者は大きく張り出されていたと後に聞きました。
これについては人それぞれに考え方があると思います。
順位が出て、模試のたびに順位が上がったり名前が張り出されたりすれば
受検勉強に対してのモチベーションも上がるかもしれません。
モチベーションが上がれば良いですが、なんせ小学生。
模試の順位に油断してしまうことも、ないことはないかもしれない。
私は塾の模試でたとえ1位になっても、それはあくまでも塾の模試であり、
本番でそれが100%通用するものではないという考えなので、
『見ない・見せない・聞かない』で良かったと思います。
実際に、個別で先生に模試の順位も聞いたことはありませんでした。
模試の結果を持ち帰ってきましたが、偏差値を見てもよくわからないので
「間違えたところは必ずやり直ししとくんやで。」と言うのみ。
偏差値はわからないながらも、成績は上がってきているのがわかったので
受検のことは素人判断せずに、プロである塾にお任せしていました。
順調に成績が上がってきたものの、息子にはどうしても苦手な分野がありました。
それは『詩』です。
模試でも『詩』の分野が出ると、その問題は全部間違い。
「詩ってまったく何を言ってるのかわからない。キライや。」と泣き出す始末。
これはまずい。
そう思った私は書店で『金子みすゞ』の詩集を買ってきました。
寝る前に必ず一編の詩を音読し、思い浮かんだ情景や作者の心情などを息子と一緒に想像しながら話し合いました。
毎晩たった5分ほどの話し合いでしたが、詩集を一冊読み終える頃には息子の苦手意識もなくなり、模試ではその後、外すことのない分野になりました。