先月末ぐらいに、ツバメが我が家の玄関先に飛んでくるようになりました。
この土地に家を建てて約38年が経ちます。
これまでは毎年、家の上空を飛んでいるのは見かけましたが、玄関先の様子をうかがっているのは初めてでした。
ツバメが巣を作る家は、縁起が良く幸せになれると聞いたことがあります。
息子もいなくなって静かになってしまった我が家が、少し賑やかになるのかなあと期待してツバメの様子を見ていました。
少しするとツバメは巣作りの材料を運んでくるようになったのですが、巣を作ろうとしている場所は軒下ではなく、玄関ドアの真上。
巣の土台の下側がドアの上部にかかっています。
このままでは玄関ドアの開閉ができなくなってしまいます。
軒下か、玄関ドアにかからない位置に作ってくれるといいんだけど。
願いは届かないようでした。
母と話し合い、ツバメには申し訳ないのですが巣が完成しないうちに退去を願うことにしました。
まず、出入り口の確保のために片側を50センチほど開けて、玄関先をよしずで囲い込むようにしました。
これであきらめてくれるだろう。
この玄関の真上でなければ、ほんとどこでもOKなのに。
よしずで囲って2・3日後、また同じ位置に泥付きの藁がありました。
観察していると、出入り口の50センチほどの隙間から飛び込んできているところを目撃しました。
PEテープでひらひらした暖簾を作り、50センチほどの隙間に取り付けました。
こんなにもここが気に入ってくれたのにごめんね。
ツバメは諦めたのか、我が家の周りでは見かけなくなりました。
我が家ではそんな状況でしたが、会社で仕事をしていると10日ほど前からかすかに
ピイピイと声が聞こえるようになりました。
どこに巣があるのか探してみましたが、外から見える所にはありませんでした。
かすかに聞こえていたピイピイが、日に日に大きなピイピイに変わっていきました。
2・3日前は4・5分おきにピイピイと聞こえていたので、この炎天下に親鳥がひっきりなしに餌を取りに行き、巣に戻ってきている様子がうかがえました。
仕事をしながら、
今のヒナは人に例えると4・5歳~小学生ぐらいかな。
一番手がかかって大変な時期やなあ。
と考えていました。
今日、仕事をしていると昨日まで4・5分おきにあったピイピイの間隔が長くなっていることに気付きました。
気になって調べてみると、巣立ちが近くなると親鳥は餌を与える間隔を長くしたり、餌を取ってきても与えずに見えるところに置くなどして、巣立ちを促すとありました。
ああ、中学生~高校生ぐらいになったんやなあ。
親鳥はえらいなあ。ちゃんと子供の巣立ちを促しているんやなあ。
自分自身を振り返ってみると、まったく巣立ちの準備なんてしていませんでした。
あっという間に息子は巣立って行きました。
ずっと二人三脚でやってきたこともあるので、私たち親子の距離は割と近いものであったと思います。
なので息子が巣立った時、『空の巣症候群』にならないようにブログを始めることにしました。
ブログを書き始めてみて、『寂しい』と思う気持ちをごまかしたり押し込めたりするのではなく、素直に『寂しい』という気持ちを認め、昇華させることが大切なのではと思うようになりました。
現在進行形で子育て真っ最中のお父さんお母さんは毎日忙しくて大変で、早く子供が大きくなってくれないかなあと思うことも、しょっちゅうあると思います。
今は大変でも、子供が小さくて手がかかる時期なんてほんとにあっという間に過ぎ去ってしまします。
「抱っこ」と言ったあの時、どうして立ち止まって抱っこしなかったのだろう。
今さら後悔することも多いです。
一緒にいることが当たり前の時間は、思ったほど長くはありません。
今のこの一瞬一瞬をどうか大切に過ごして下さい。
ツバメの巣立ちから様々なことを考えてしまいました。