shanの雑日記

子育ての振り返りから日々の雑感など

1番大事な仕事

今日の午後、会計事務所の方が決算報告書を持って来て下さいました。
私が勤める会社は5月末決算なので、毎年この時期に決算報告書が出来上がります。


田舎の製造業で私は1人、経理と総務と庶務的な仕事をしています。
製造、出荷事務以外の『なんでも屋』です。
蛍光灯の取替えもしますし、新聞もたまれば紐でくくって古紙回収場所まで持っていきます。
この会社に来るまでは、経理も総務も経験はありませんでした。


前の会社を辞め、私はハローワークに通っていました。そのハローワークには私より少し前に同じ会社を辞め、前職では総務担当だったAさんが職員としていらっしゃいました。
Aさんはとても親身になって、次の就職先を一緒に探してくれました。


ある日、朝1番にハローワークに行くとAさんが
「shanちゃん!いいタイミングに来たよ!」
「ここ、今募集出たところ!事務員やし正社員やし家にも近いし、未経験でも大丈夫やて!」
と言って見せてくれた求人票が、今の会社になります。
早速Aさんが電話をかけてくれると
「shanちゃん、今から面接行ける?社長さん、なるべく早く決めたいからできたら今からでも面接したいって。」
と言われました。
たまたま、日付と志望動機の欄が未記入の履歴書を持っていたので、
「大丈夫です!行けます!」
と返事をしました。


面接は1時間後に決まりました。
あわてて帰宅してスーツに着替え、履歴書に日付と志望動機を記入して面接に行きました。
会社につき、当時70代後半の前社長に面接をしていただきました。
経理も総務も未経験であることを伝えました。
シングルマザーで、小学3年生の男の子を育てていると伝えました。
両親と同居しているが、両親ともフルタイムで仕事をしているため、子供の病気等でご迷惑をお掛けすることもあると伝えました。


私が話している間、前社長は私を観察している様子でした。
私が話し終えると
経理のわからんことはワシが教えるし、会計事務所にも聞いたらええ。総務は労務士に聞いたらできるやろ。」
「あんたは真面目や。それはわかる。あんたに来て貰うわ。」
「ええか、これだけは覚えとき。あんたの今の1番大事な仕事は子供を立派に育てることや。そやから子供の病気で休んでもええし、授業参観も途中で抜けて行きなさい。子供はお母ちゃんが来てくれたら喜ぶんや。」
とおっしゃいました。
前の会社を子育てとの両立に悩んで退職していたので、未経験の経理という仕事に不安もありましたが、
ここで頑張ろう。精一杯勉強して仕事を覚えよう。
と思いました。
まったくの未経験でしたが採用していただきました。


引き継ぎもなく、マニュアルもなかったので、前任者が切った振替伝票と総勘定元帳が教科書でした。
何年分もの振替伝票をめくって借方・貸方科目を学び、振替伝票の書き方を学びました。
わからないことは前社長や会計事務所の担当者に教えていただきました。
給与計算・雇用関係はネットで調べたり、労務士さんにしつこいくらいに聞いたりして学びました。


会社の業績はこのご時世なりのものでしたが、決算報告書は日々私が電卓で手計算をし、手書きで振替伝票を書き上げ、会計ソフトにコツコツと入力してきた総仕上りになります。
1年間、数字と格闘してきた証です。


決算報告書に目を通し、戸棚に並べました。
来月でこの会社に就職して10年になります。
前社長は3年前にお亡くなりになられましたが、前社長がおっしゃられた
『1番大事な仕事』はそろそろ終了を迎えます。
今まではお言葉に甘え、子育てに注力させていただきました。
今後は日進月歩する会社の業務に勤しみたいと思います。