徒競走からの自己分析力~前編~の続き
コーナーで派手に転んだ息子は、立ち上がって走り出し、4番でゴールしました。
ゴールした背中が、悔しさで溢れているのが遠くからでもわかりました。
他にも参加種目があったので、怪我の確認をするために息子の所に行きました。
息子の顔が
「何も話しかけるな。」
と語っていたので、徒競走の事には一切触れずに怪我の確認だけして戻りました。
仏頂面して帰宅し、そそくさと自分の部屋に入っていった息子に話しをしました。
私「今日は頑張ったな。コーナーでビビらんと突っ込んでたやん。」
息子「もう、ずっと負けるのイヤやってん。そやからいろいろ考えたのに…。」
私「結果は出なかったけど、そうやって考える事ができたって凄い事やと思う。」
息子「なんで?」
私「○○は自分でスタートが弱いって思ったから、1番内と外を避けようと考えたんやろ?」
「そうやって、自分の弱点をちゃんと考えて対策を考えるのって大事やで。」
「それにさ、自分の力を分析するのって難しいんよ。」
「自分の力を、大きく考えすぎても小さく考えすぎてもアカンねん。本当の自分の力をきちんとわかる事が必要なんよ。」
息子「けど、コケたし…。」
私「それは、もう負けたくないって強く思ったから怖いコーナーに突っ込んで行ったからやろ?」
「それってさ、○○のコーナーが怖いっていう気持ちに、『勝ちたい』って気持ちが勝ったってことじゃないかな。」
「外から入ってくる子に、前はビビって譲ってたとこあったやろ?今日はちゃんとブロックしてたし。それだけ『勝ちたい』って気持ちが強かったってことよ。」
「去年は無理って言ってたこと、ちゃんと克服できたやん。」
「そやから、○○は自分には勝ったんやとハハは思う。」
息子の返事はありませんでした。
少しは納得したのか、仏頂面はなくなりました。
中学・高校時、息子は競技においては自分の実力やその時の体調、ライバル達の実力とライバル達の戦い方を分析し、大会前にはいくつかの対策を講じていました。
頭の中でいろいろな対策を講じることで、その時その時の展開が変わっても冷静に対処することができたそうです。
息子は
「ノープランは、逆に疲れる。」
と言っていました。
行き当たりばったりの方が良いこともあるかもしれませんし、『策士策に溺れる』といった事も起きる可能性もあります。
息子も溺れた経験はあります。笑
けれど、そういった経験を重ねる中で、最終的にはどうやって『自分の勝ちパターン』に持ち込めるかの戦略を考えていました。
いかに適切に、自分の実力とその時の状態を評価した上で冷静に分析し、自分の力で、『どうしたら勝てるか』のパターンを組み立てることができるか。
自己分析力は、勝負において重要な能力の1つであると思います。
息子の場合、大学受験においても同じことが言えたと思います。
息子は土壇場の昨年の12月になって、冷静に自分の実力と向き合い、何を優先させるべきであるかを分析することで志望校を変更しました。
あの時、一度立ち止まって自分自身を適切に評価できたからこそ、希望した医学部生としての大学生生活があるのだと思います。
大学生になれたのは、負け続けた徒競走のおかげ?
かどうかはわかりません。笑
けれど、小学生の時の負け続けた徒競走は、自分の力を適切に評価して分析し、対策を講じるということの1つのきっかけになったと思います。