少し前のこと、とある記事を読んでいて衝撃を受けました。
その内容とは
○私立医学部複数校出願(共通テスト利用含む) 275,000円
○私立医学部1校正規合格入学金(第3希望校) 1,500,000円
○私立医学部1校正規合格入学金(第2希望校) 2,000,000円
上記を出費した後に国公立医学部に合格し、入学されたそうです。
3,775,000円は返済されないお金になります。
3,775,000円はほぼ、国公立医学部6年間の学費と同じになります。
多分、いやきっとお医者様のご家庭(開業医?)でしょうか。
ごく普通のサラリーマン家庭で377万円を捨て金にすることは、非常に難しいかと…。
私立医学部の学費は1番安いところで約1,850万円、高いところで約4,600万円と言われています。
平均で約3,000万円。
これはあくまでも学費のみであって、私立は寄付金や施設利用料等別途必要になることもあります。
これに1人暮らしとなると、いったいいくら必要になるのか?
1馬力の私が頑張ってどうにかなる金額ではありません。
記事には
合格した大学に入学金を納めてあげる事で、第1志望校の試験にリラックスしてのぞめたようなのでよかった。子供のお守りと母親には精神安定剤でした。
とありました。
母子家庭の我が家には、お守りも精神安定剤もありません。
国公立医学部前期1校・後期1校
のみの出願となりました。
塾の面談で、行く行かないは別として受験の場慣れのために私立医学部の受験を勧められました。
私立医学部はまったく眼中になかったので何も知らず、塾生がよく場慣れとして受験するのはA医科大だと聞きました。
HPでA医科大を検索。
受験料60,000円、学費約3,000万円の大学。
本番の予行練習になればと考え、ホテルの予約をしておきました。
医学部受験は1日目が学科試験、2日目が面接となり2泊3日が基本となります。
受験料と宿泊料、雑費等で約100,000円は必要になる計算でした。
出願期限が迫ってきた頃、息子に
私 「A医科大、Web出願やから入力しなよ。」
と言ったところ
息子「A医科大は受けるのやめとく。」
「受かっても行けない学校を受験する2,3日がもったいない。」
「その分を本命の国公立対策に専念した方がいいと思う。」
と言いました。
私 「予行練習はしなくていいの?」
息子「多分、予行練習の方が緊張する。○○は本番に強いタイプやから。」
息子の言うとおり。
合格しても行けない大学を受験するのに貴重な日数を費やすのは、確かにムダ。
それに息子は競技において、予選はガチガチに緊張しておかしな動きになりますが、決勝では開き直るのか冷静になるのか、自分の実力を発揮するタイプでした。
それが受験に当てはまるのかは全くの不明ですが、自分の力を冷静に分析して本番に仕上げる場数だけは踏んできたので、自分の本番力には自信があったようです。
※その辺りの話はこちら
受験において、それを信じた私もどうかと思います。笑
しかし、ここで息子の自信を否定するのはマズいと考えました。
結局ホテルをキャンセルし、出願もしませんでした。
非医学部受験をした旧帝大志望の息子の友達はほぼ全員、場慣れや滑り止めとして、早○上△・関○同△を受験していたようです。
医学部受験における別の記事で
国公立前期受験前に私立医学部複数校を受験し、それぞれに問題の傾向は違うものの試験を受けることで実力UP。数多く受験したのが余裕につながってプラスに働き、国公立医学部に合格
といった例もありました。
併願校受験に関しては、各家庭の経済状況や受験生本人の性格、親御さんの『浪人させたくない』などの思いが複雑に絡み合ってくると思います。
我が家の場合、医学部受験における大前提は
日本国内ならどこでも可。ただし国公立に限る。
ということ。
なかには
医師になれば元は取れるから、私立医学部もアリ。
という意見があることも知っていましたが、私的にはナシでした。
万が一、医師になれなかったらどうするの?
途中で学費を払うことができなくなったら?
預貯金をはたいて教育ローンを借り、スッカラカンになったら将来息子に頼るわけ?
それは何か違うし、それだけは避けたいというのが私の思いでした。
私立医学部に進学するのなら、奨学金を限度額いっぱいまで借りて学費等が免除・減免される特待生の対象となれば可能かもしれませんが、特待生の対象になれるかどうかは大きなカケ。
現実的ではありません。
いろいろ大雑把な考えが基本の私ですが、大学進学に関しては現実的かつ入念に電卓を叩いて考えました。
結果、息子の進路選択の幅を狭めることになったのかもしれませんが、受験終了後
息子「何が何でも国公立って考えてた。だから最後の最後まで全力で戦えたと思う。」
「ま、結果オーライやな。笑」
『結果オーライ』となったいきなり本番、しかも今まで模試判定をしたことのない国公立医学部1本受験。
お守りや精神安定剤の全くない大学受験は、モヤモヤとハラハラとドキドキが、交互にあるいは同時に襲ってくる日々を過ごすことになりました。
相当神経をすり減らすものになったことは間違いありません。