shanの雑日記

子育ての振り返りから日々の雑感など

インフレ特別手当

最近、スーパーに行くと本当にいろいろな物の値段が高くなっていることに驚きます。

1人暮らしの息子は電気代が先月は3,000円台だったのが、今月は5,000円台になったとぼやいています。

そんな中、少し前にユニクロを展開するファーストリテイリングが国内勤務正社員を対象に年収が最大40%、平均して15%もアップするとニュースで知りました。

また今年の春闘では『連合』としては

物価高で生活は苦しく実質賃金が持続的に上がる経済に変えていくべきだ

と訴え、基本給を引き上げる『ベースアップ』の部分と定期昇給分とを合わせて5%の引き上げを求めています。

一方『経団連』の方は

物価動向を重視し企業の社会的な責務として賃上げの積極的な対応を呼びかける

として、『ベースアップ』を幅広い企業に対して前向きに検討するよう求めています。

けれど、これはほんの一部の大企業の話。

労働者の7割を占める中小企業には現実的ではありません。

 

基本給を上げると将来的にも人件費のコストの上昇が続きます。

基本給を上げると下げることはものすごく難しい。

会社側の一方的な『不利益変更』は違法。

労働者の合意や、不利益変更に合理性があり周知されてる等がなければ基本給は下げることはできません。

労働者も一度上がった基本給が下がるなんて、なかなか納得できるものではなく。

これ、私が入社して間もない頃に会社の業績悪化に伴い行った事があります。

ものすごーく大変でした…。

 

そんな中、1月に入ってすぐの頃にウチの社長が言いました。

「従業員に物価高対策として期間限定で基本給を上げようと思ってる。」

なんと!

ウチの会社にそんな発想があったのか!

とまあ、一従業員としては一瞬だけ嬉しく思いました。

ただ先にも書いたように、期間限定としても一度基本給を上げてしまえば下げることは、ものすごーく大変。(現社長は以前の事は知りません。)

その事を社長に告げると、今度は交通費に上乗せさせようと言いました。

交通費には『非課税限度額』があります。

例:自動車や自転車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当

  通勤距離が片道2キロメートル以上10キロメートル未満→4,200円

私は片道約3キロなので、交通費に上乗せされると限度額を超えてしまいます。

それなら別に『手当』とするのはどうかと提案し、社会保険労務士と税理士に聞いてみると社長に言いました。

 

まずは社会保険労務士

「交通費に上乗せしてる会社は他にもあるよ~。交通費にしろ手当にしろ、どのみち3ヶ月後には月変(社会保険月額変更届)は必要だからね~。5,000円でも標準報酬月額が上がれば社会保険料も上がるからね~。」

次に税理士事務所の担当

「もし監査が入った時、一定期間の交通費の上下動を不審に思われてバレたら所得税の計算し直し等が必要になる!それがきっかけで税務署は他にも突っ込みどころを探そうとする!それは面倒なので『手当』として始めから所得税を払っておいた方がマシ!5,000円なら所得税も大したことない!ぜひ『手当』で!」

との事。

これを聞いて、あとあと面倒になる事は避けたい私の心は『手当』一択。

社長にも労務士と税理士事務所の担当の話を伝え、『インフレ特別手当』とすることに決まりました。

1人月額5,000円(1年間)。

5,000円。

ありがたいです。

月々の雇用保険料は上がり所得税も上がりますが…。

けれど、もし3ヶ月が経過して社会保険料が上がってもそれは私の責任でも給料計算の間違いでもないことを、従業員さんに知っていただきたい。(たまにクレームあり。)

私ができることは、きちんと給料計算して後は標準報酬月額が超えないことを願うのみ。

あと、所得が増えれば来年の住民税も上がるかも…。

トータルで実際はどれだけプラスになるのか、ホントに不明。

事はそう簡単でもなく、単なる給料計算担当者の偏った見方かもですが、

政府が賃上げを要求するのは、個人消費者のためではなくて社会保険料等の税収アップを目論んでいるのか?

電卓を叩いて給料計算をしながらそんな事を考えてしまいました。

 

せっかくの5,000円ですが、結局はいくらも手元には届かないのだろうなあと思います。