shanの雑日記

子育ての振り返りから日々の雑感など

甲子園の思い出

夏の全国高校野球が甲子園で開幕されました。

TVで甲子園の中継を観ると、様々な思い出が蘇ります。

 

私は学生時代に、甲子園球場で売り子のアルバイトをしたことがあります。

同じ体育学部の友達から「トレーニングになってお金が貰えて野球が観られるバイトしない?」と誘われました。

 

野球観戦は好きでしたが、特にどこのファンというものはありませんでした。

その友達は大の広島ファンでした。

カープカープカープひろっしま!

ひーろしっま、カープ

友達の影響で、未だにそのフレーズだけは覚えています。

 

さて、その友達と売り子のアルバイトに募集し、採用されました。

多分、応募してきた人はみんな採用だったと思います。

当時は最低基本給が交通費込みの1試合5,000円ぐらいで、売り上げの1割が取り分となりました。

1番人数の多い売り子は、もちろんビールでした。

私は野球が観られるのならそれでよかったので、何の売り子に応募するのかは友達に任せていました。

友達が応募したのは『ウイスキーの水割り』の売り子。

そんなの売ってるの?と思いましたが、友達いわく

「ビールは多すぎてライバルが多い。ここは希少価値を狙わんと稼げん!」

とのこと。

友達が言うことにも一理あるかな、と思いました。

値段はビールより50円ほど高かった記憶があります。

 

ウイスキーの水割り』を売るには、氷+水の瓶+ウイスキーの小瓶+おつまみ

+紙コップが必要になります。

それらが入った箱を肩から担ぐと、肩に食い込む重さがありました。

実際どのようにして売るのかというと、内野席の階段を上ったり降りたりしながら

私「ウイスキーの水割り、いかかですか~!」※ひたすらくりかえし

お客さん「おう!おねーちゃん!水割り1杯くれや!」

とご注文が入ります。

そこで、コップに氷を数個とウイスキーの小瓶からウイスキーを注ぎ、水の瓶を開けて紙コップに注ぎ、マドラーでくるっと一回しして

私「おまたせしました~!ありがとうございます~!」

とお渡しします。

ビールの缶をプシュッと開けて紙コップに注げばできあがり、に比べると手間がかかります。

ちなみに、ビールもウイスキーもジュースも決して瓶や缶をそのままお客さんに渡してはいけません。

何故なら、試合の結果にヒートアップして球場内に投げ込むのを防ぐためです。

それと空いた瓶や缶で売り上げが計算されます。

たまに「そのまま瓶でくれや!」

と言われることがありましたが、そんな時は

「すいませ~ん。これ持って帰らないとお給料貰えないんですう。」

とニッコリ笑ってやり過ごしました。

 

重たい商品を持って、甲子園の内野席の階段を上ったり降りたりを繰り返しました。

疲れてくると邪魔にならない所に行って野球観戦。

あんまり売れないなあ、という日は主に野球観戦で終わりました。

やっぱり1番売れるのは、阪神VS巨人戦です。

当時は満員で5万5千人が入れたかと思います。

熱気も勢いも違いました。

友達は阪神VS広島戦になると、アルバイトはそっちのけで広島の応援をしていました。

一番売れなかったのは阪神VS大洋戦(当時)。

巨人戦は多いときは1試合で約20.000円近く稼ぐこともありましたが、大洋戦はほぼ基本給で終わりました。

 

大学を卒業し、数年して元夫と知り合いました。

元夫は会社関係か何かで、夏の高校野球の内野席チケットを手に入れることができました。

毎年夏になるとチケットを貰い、1人で高校野球観戦に出かけました。

元夫は、とある競技で国体を目指していたこともあり、休日は練習に行くので私は1人であちこちに出かけていました。

 

朝イチから甲子園に出向き、銀傘の下の席を確保します。

持参した朝食を取りながら第一試合を観戦。

お昼になると、持参したお弁当と売り子さんからビールを買って昼食。

第三試合の頃には少しうたた寝

内野席の銀傘の下は日陰で、甲子園特有の浜風も吹くので当時は真夏でもそんなに暑く感じませんでした。

最後の第四試合をビールと共に観戦し、そんな風にして一日中甲子園にいました。

 

1998年(平成10年)の夏は決勝戦のチケットを貰いました。

高校野球に詳しい方ならご存じかと思いますが、この決勝戦は『平成の怪物』と呼ばれた松坂大輔投手が、決勝でノーヒットノーランを達成して優勝を決めた試合です。

歴史的な試合を目の前で観ることができました。

試合終了後、観客席のみなさんが立ち上がって拍手を送っていた光景を覚えています。

 

毎年夏になりTVで甲子園の中継を観ると、重くて大変だった『ウイスキーの水割り』の売り子の記憶と松坂大輔投手の気迫、それを見守る観客の一体感が思い出されます。

この夏もそんな事を思い出しつつ、高校生達の熱い戦いをTVで観戦したいと思います。