shanの雑日記

子育ての振り返りから日々の雑感など

【総合型・学校推薦型選抜『増やす』3割】に思う

先日、新聞を読んでいて上記の見出しが付いた記事に目が止まりました。

今後10年間に、総合型選抜や学校推薦型選抜の募集人員を『増やす方向』が私立大で3割、国公立大でも2割程度あったと河合塾との共同調査でわかったそうです。

国公立大は政府が原則として定員増を認めていないので、上記の選抜型の募集を増やした分、一般選抜の定員を減らすとした記述が多かったとのこと。

その記事によると、昨年度に一般選抜を経た入学者は全体で49%。

今後その割合はさらに減りそうだ、とありました。

また12日の日経新聞にも、23年度国公立大入試の募集人員のうち、上記の選抜の占める割合が過去最多の22.5%となることが文科省のまとめでわかったとありました。

息子の出身高校の場合『地方公立上位校あるある』かもしれませんが、

『みんなで共通テストを受験して国公立を目指そう!』でした。

息子の学年はコロナの影響で、2年3年の保護者を対象とした進路説明会は実施されませんでした。

公立中高一貫校だったので、中学時の中高合同の懇談会等に参加しているとそういう雰囲気を感じることができました。

 

学校推薦型選抜では息子の学年の場合、説明会もなくて保護者宛の一斉メールで

『夏休み後○○教室に、指定校一覧表を掲示するから興味がある生徒が見に来るように』とありました。

親が参考にしたくても、子供を介して情報を得るしかない状況。

学校は、親からの働きかけで子供を指定校に誘導して欲しくないのかも?

と思っていました。

なぜなら、息子の親友のY君が2年生の時、職員室で担任の先生に

Y君「先生、うちの学校ってどんな指定校があるんですか?」

と大声で聞いたら、担任の先生があわてて別室に連れて行き

担任「お前は指定校に逃げるんか?」

と言った事実があります…。

 

息子の学年で、息子が直接知る範囲では総合型選抜で1人、学校推薦型選抜で2人が進学したそうです。

総合型で旧帝大1人。

旧帝大に進学した人はその旧帝大が第一志望であり、部活でも活躍しながらコツコツと勉強を重ねていて、その努力はとてもマネできないと息子は言っていました。

 

学校推薦型選抜の1人は、志望する分野の学部での最難関私立の募集があったので応募したそう。本人から直接聞いた息子は

「みんな頑張ってるから、誰にも言わないで!」

と言われたそうです。

実際にはもっと学校推薦型選抜で進学が決まっている人もいたと思いますが、上記のように一般選抜で頑張る周囲を気遣っていたのか、全く情報は回ってこなかったようです。

もう1人。高校進学時から難関大を目指し、早朝から教室で勉強して夜も残ってコツコツと頑張っていた様子を息子は知っていました。

夏休みが終わり、2週間程見かけなくなったと息子は心配をしていました。

しばらくして廊下で見かけたので声をかけると

「濃厚接触者になって休んでた。一生懸命勉強しても受験できなくなるかもしれないって思ったら怖くなって。だから指定校にした。」

ずっと頑張ってきた様子を知る息子は、何と声をかけるべきなのか悩んだそうです。

大学進学という、重要な節目にもコロナが影響することの事実を目の当たりにし、私も息子もショックを受けました。

 

総合型・学校推薦型のいずれにせよ、高校入学時からコツコツと勉強や努力を積み重ねて評定平均を取る必要があります。

評定平均以外にも、課外活動やボランティア活動、○○オリンピックの実績等も必要になることもあり、勉強ばかりしていればいいものでもありません。

そういった活動や努力を正当に評価し、意欲ある生徒を積極的に入学させたい大学もあれば、入学定員管理の厳格化や生徒数の減少で『早期確保』を目指す大学もあるそうです。

 

そうなってくると、一般選抜で受験する人はどうなるのか?

先にも書きましたが国公立大の場合、総合型・学校推薦型選抜が増えると一般選抜枠が減ることになります。

その影響で、後期試験を実施する大学が今後減っていく傾向にあるそうです。

後期試験が元々少ない医学部は別にしても、チャレンジする機会が減っていくことになります。

息子の周りにも、決して少なくない人数の友人達が3月中旬に行われる後期試験に挑みました。

最後まで諦めずにチャレンジし、合格を手にした友人は何人もいます。

 

チャレンジする機会が減ると、受験生も親も『早く決めてしまいたい』という心境になるのは当然のこと。受験は『損得勘定』で語るものではないですが、あくまでも個人的には、遅くなればなるほど『損』になるんじゃないかと思ってしまいます。

 

総合型・学校推薦型選抜を否定するものではありません。

チャンスは自分の手で掴み取るものだと思っています。

ただ、積み重ねてきた勉強の成果を頼りに狭き門となってしまった大学に、最後まで挑もうとする一般選抜受験生にも、チャレンジする機会を与えてほしい。

息子の友人も数人、昨年叶わなかった夢に向かって頑張っています。

 

最後まで頑張る受験生の努力が報われ、希望が持てるようなシステムにならないものか…。

受験を終え、当時者ではないですがそんな事を考えてしまいました。