休日、遅いめの朝食を食べながらTVを観ていました。
番組のコーナーで、現役東大生70人に質問。
『あなたは褒められて育てられた派?叱られて育てられた派?』
その結果が、褒められて育てられた派が69%でした。
『自尊心を高く育てるには子供を褒めて育てましょう』
と聞いたことはあります。
中には、今まで一度も叱られたことがないという女子もいて。
どうやったら一度も叱らずに育てられるんだろうと、疑問に思ったり…。
自分の子育てを振りかえると、
『叱りまくってた派+結果や能力を褒めることを避ける派』
だったと思います。
息子が小さい頃は、叱ってばかりだったと思います。
田舎の母子家庭で一人っ子。
わがまま言ったり、ちょっとした事でも
『あそこは母子家庭だから』
と言われることが怖くて。
そればかり考えていました。
実際、保育園でお友達とトラブルになった後、息子が
「Aちゃん、○○がパパいないから遊んだらアカンってママに言われたんやて。」
と言ってきた事があります。
息子が小学生になったばかりの頃、体育で机に置いていたお友達の眼鏡を触っていて壊してしまい、謝罪にお伺いした時に
「お宅はお一人なんでしょ?しっかり教育して下さいね。」
と言われた事もあります。
それもあって、がんじがらめな子育てをしていました。
あれはダメ!これはダメ!
『ダメ!』を連発していました。
そんな頃に知り合ったパートナーに
「ちょっと、ダメって言い過ぎやない?」
と言われました。
パートナーが口出しするということは、よっぽどだったんだと思います。
息子は幼少期、段ボールやその辺にあるものでよく工作をしていました。
息子「見て見て!凄いやろー!」
と言ってきた時に
私 「いろいろな物をよく考えて組み合わせたな!」
とは言ったものの
『凄いね!』『上手だね!』
などと褒めた記憶がありません。
自尊心を高く育てるよりも高くなりすぎて天狗にならないようにと、そればかり願っていました。
息子の成長と供に、次第に叱りまくることは無くなりました。
かといって褒めることもなく…。
競技で上位入賞した時
「練習してきた甲斐があったね。」
中学受検で合格した時
「勉強と競技の二兎を追えたね。よく努力したと思うよ。」
息子が決して天狗にならないような声かけを捻り出していました。
『凄いね!』『上手だね!』を言わずに月日は流れ、息子が中学2年生になった時、
「どうせ○○には無理やから…。」
「○○がやったところで~やから…。」
を連発し出しました。
あー。やっちまった…。
自尊心が低いって、こういうことを言うのかと思いました。
その頃、競技で1位になった事があったので
私 「1位おめでとう!凄いね!」
と言ったら
息子「フン。今さら褒める育児?」
見透かされてしまいました…。
褒めるタイミングもわからず、どうしたものかと考えているうちに大学受験も終了。
近所のスーパーや新生活の買い物に息子と一緒に行くと、あちこちで知り合いに会いました。
塾の合格速報の折り込みチラシに息子の写真が掲載された事もあり、進学先を知って下さっている方も多くて。
(私も毎年、そのチラシは知り合いがいないかとガン見しています。笑)
「○○君、おめでとう!医学部やって?凄いなあ!」
と声をかけて頂くこともありました。
すると息子は笑顔で
「はい。ありがとうございます。僕、頑張りました!」
と返事をしていました。
ここは日本人特有の「いやいやいや…」と謙遜するところでは?
疑問に思ったので、息子に聞いてみました。
「中3の時、いつも定期試験1位のKが周りに『すげー!』って言われてたんやけど、Kはいつも『俺なんて全然やし。』とか言ってたんよね。そしたらそれを聞いていたSが『お前な!頑張って勉強して1位取ってるんやろ?なんで頑張ってるって言わんの?自分の頑張りを否定するんか?頑張ってるけどお前に勝てないヤツにも失礼やぞ!』ってキレて。それを聞いたときに、Sの言うとおりやと思った。」
「だから○○は、頑張った結果が出た時はちゃんと自分で認めようと思って。」
「僕って凄いやろー、って言うのとは違う。けど頑張ったのは事実やから。」
「それに、謙遜って1つ間違えたら相手に失礼になる可能性もあると思うんよね。」
あー。やっちまった…。
と自分の子育てを後悔していましたが、友達のおかげで息子は自分の努力を認めることの大切さを学び、自尊心を高めることができたようです。
親の足りない所をフォローしてくれた息子の友達、ホントありがとう。
息子が巣立った後も、知り合いに会えば声をかけられることがあります。
その時は息子を見習って
「ありがとう。○○、良く頑張ったと思うわ。」
と返事をするようにしています。