少し前のお盆休み中に、携帯のLINEではない通知音がしました。
画面を見てみるとSMS(ショートメールサービス)とありました。
普段のSMS通知って、ロクなものが入ってきません。
お客*様が不在の為お荷物を持ち帰りました。
こ~ちらにてご確*認下さい。
文中の『*』や『こ~ちら』って何?
明らかにおかしい。
当選おめでとうございます。
お金配り企画にご当選!
下記にお電話頂きご当選金額をご確認下さい。
『お金配り企画』って何?
そもそも何にも応募はしていないし。
いったい誰がこんなものに引っかかって電話してしまうのだろう?
例え少数でも引っかかってしまう人がいるから、いつまでもこういった怪しいSMSがくるんだろうなあ…。
そう思いつつも、確認の為にメッセージを開いてみました。
shan久しぶり!
元気にしてるかな?Hだよ~
もし届いていたら返信ちょうだい
私のことをshanと呼ぶH(Hはニックネーム)は高校の同級生っぽい。
けれど不信感しかないSMSだし、本当に同級生のHなのか?
もしHだとすると、Hはこの話に登場した『年賀状を今年限りで失礼します』のご本人。
※その辺りの話
あなたから縁を切っておいて今さら何?
という思いがあったので、しばらく返信するべきか無視するべきか考えていました。
Hと会っていた頃はまだLINEはなく、会わなくなってしばらくして携帯のキャリアを変更した時、アドレス変更のお知らせをしていなかったかも…。
電話番号と住所しか知らない中で電話番号が変わっていない可能性にかけてSMSを送ってきたのだとしたら、何かあったのかも?
そう思ったので
お久しぶり。
元気だよ~。
とだけ、様子をうかがう返信をしてみました。
すぐにHから返信がありました。
HがSMSにメッセージを送ってきたのには、やはり理由がありました。
共通の高校時代の友人Nに関することでした。
NからHへ『久しぶりに会いたい』と連絡があったとのこと。
Nは今、実家で病気療養をしているそうです。
元々Nには持病があり、若い頃は薬で進行を遅らせているということは知っていました。
N「そのうち寝たきりになるかもしれないから、結婚とか出産とかって考えられないんよね…。」
約30年前の学生時代、Nと会った時にボソッとそう話していました。
その頃は薬のおかげか、病気を感じさせることはなく元気に過ごしていました。
高校時代からの夢を追いかけ大学・大学院で勉強を重ね、とある分野で論文を発表するなどバリバリと仕事をして、開業もしました。
毎年、年賀状に手書きされた近況報告を読み、Nの夢が実現したことをうれしく思っていました。
しばらくそんな様子だったので、Nの病気のことはすっかり忘れていました。
数年前から年賀状が途絶えたので、ひょとしたらその頃から調子を崩していたのかもしれません…。
そんなNがHに会いたいと連絡をし、もし連絡がつくなら私にも会いたいと言ったそうです。
体が不自由となり、外で会うのは難しいとのこと。
外出できないって?
Nは今、どんな状態なんだろう…。
この週末、Hと一緒にNのお宅に伺うことになりました。
この日以来、ふとした時にNの事が気になります。
久しぶりの友達に会う時、第一声は
「久しぶり~!元気にしてた?」
とか
「元気そうね!全然変わってないね!」
などの言葉が出ると思います。
けれど約15年ぶりに会う友達の病気が進行し、外出もままならない状態だとわかっている場合はどのような言葉を発すればいいのだろう?
Nのどんな姿を見ても動揺せずにいられるだろうか?
自信はないけど、顔には出さないようにしなければ…。
「久しぶり〜!会えてうれしいよ!」
笑顔でそう声を掛けようと思います。