shanの雑日記

子育ての振り返りから日々の雑感など

ありったけの力で最後まで~後編~

ありったけの力で最後まで~前編~の続き

 

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高校1年生の3月からコロナ禍で、全国の学校が一斉に休校になりました。

 

毎年、高校では様々な大学に進学が決まった卒業生の合格体験記を在校生と寄稿した人に配布しています。

息子も体験記を寄稿したので1冊いただきました。その中で他の人の体験記を読むと、ある事に気がつきました。

いわゆる旧帝大・難関大と呼ばれる大学に進学した人の多くはこの『一斉休校期間中』には大学受験に向けての本格的な勉強を開始していました。

中には「暇を持て余していたので勉強でもしようと思いました。」というのもありましたが…。

 

しかし、その一斉休校期間中、息子はより一層競技に打ち込むことに。

もちろん学校はないので自分で練習メニューを考え、あちこち場所を変えながら1人でやっていました。

ある時、競技施設が開放されていたので1人で練習をしに行くと、そこには私立のスポーツ強豪校が練習をしていました。

そこで強豪校のコーチから、休校期間中は一緒に練習をしないかと誘っていただき、顧問の許可を得て週2回練習に参加させていただくことになりました。

強豪校との練習後、

 息子「やっぱり☓☓高校はすごいよ。みんな練習に取り組む姿勢がまるっきり違う。練習熱心やし周りが全員ライバルやから必死さも全然違う。」 

とかなり刺激を受けた様子。

私「その競技をするために進学してきた子と違って当たり前じゃない?君はスポーツ推薦でもない普通の公立高校やで?」

と言うと、

息子「けれど大会ではそのスポーツ推薦組と戦って勝たないと!普通の公立高校とか、ただの言い訳や!」

息子はあくまでも勝つ気でいました。

 

休校が開けてからも、その年の大会は全てなくなりました。

周囲は大学受験に向けて勉強にシフトチェンジする中、息子は逆方向に向って行きました。

部屋に散乱している定期テストの結果を見ても、明らかに点数は下がっていました。特に数学は平均点あるのか?というほど…。

 

2年生の秋、ネットやブログで得た情報を元に息子に聞きました。

私「あのさ、医学部受験での全国にいるライバル達は、遅くとも2年生の秋には部活を引退して受験勉強に専念するらしいけど。君はどうするの?」

息子「もちろん最後までやるよ。」

この一言で、浪人の覚悟をしました。

勉強は後でもできるけど、部活は今しかできないわ!

ここまで来たら思う存分最後までやり切って!!

腹をくくりました。

 

3年生になって引退までの詳しい内容はこちらに書いています。

 

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学校では他の部活の後輩が「いつも△△しているバカ」と言っているのを耳にしたそうです。

息子はその通りなので反論はできなかったと…。

この種目では、息子は既に周囲の期待は薄かったので競技関係者は驚いていました。

私も競技を通しての知り合いの方々に

「勉強との両立が難しい公立進学校だから、仕方ないよね。」

と言われたこともあります。

仕方ないけど、〇〇は諦めていないよ!

口には出さずにいました。

 

息子に勝てた理由について聞くと

①誰よりも場数を踏んできた経験があったから

②冷静に状況を分析して判断することは、人より長けていたと思う

③考えられるやるべき事は全てやりつくした

④それだけの努力を積み重ねてきた自信だけはあった

⑤なぜか、自分には本番力があると思っていた

①~④はまだ理解できますが、⑤についてはまるで不明。

後になって、①~④があったから⑤に繋がったのではないかと思いました。

 

息子は競技を引退した日、

「最後まで全力でやり切ったから1ミリの後悔もない。○○は幸せな競技生活を送れたんだと思う。今まで言いたいこともあったと思うけど、何も言わずに最後まで好きなようにやらせてくれて本当にありがとう。」

と晴れやかな笑顔で言いました。

言いたいことはなかった、と言えば嘘になります。

けれど息子の達成感溢れる笑顔を見た時に、細かいことはどうでも良くなりました。

やりたい事を応援してきた私も、やり切った感でいっぱいでした。

私「さあ、次行くよ!待ったなしやから!」

親の役目として、大学受験に舵を切るように一声掛けました。

 

最後までやり切ったと思えたからこそ、このあとスパッと切り替えて受験勉強に全力を尽くしていくことができたのだと思います。

 

その後、競技生活を通して培った自分を冷静に分析する力と努力を積み重ねる気力と体力、何よりも『本番力』の自信が大学受験に向けての重要な要素となりました。