shanの雑日記

子育ての振り返りから日々の雑感など

『じゃりン子チエ』で小学生時代を思い出す

先日、パートナーとお茶をしていた時の会話の中で、何の話の流れからか『じゃりン子チエ』の話になりました。

1981年に高畑勲監督で映画化され、その後TVアニメとして放送されたこともあります。

 

<『じゃりン子チエ』のあらすじ>

主人公、竹本チエは小学5年生。ろくに働きもせず、ケンカと博打に明け暮れる父親と大阪で暮らす。母親はそんな父親に愛想を尽かして家出。個性豊かな人々に囲まれ、ホルモン屋「チエちゃん」を1人で切り盛りしている。父親が巻き起こす様々な騒動に巻き込まれ「ウチは日本一不幸な少女や!」と言いながらも、たくましく生きている…。

 

父親は仕事もせず、娘の稼ぎで生活。

殴り合いのケンカはするし博打もする。

母親はそんな環境の中、娘を置いて出て行くし。(後に帰ってきます。)

ホルモン屋は夜遅くまで営業。もちろんお酒の提供あり。

父親の恩師である元教師が、小学生に飲酒をすすめる場面もあり。

なかなかハッキリと書きにくい方々が出てくることも…。

 

ヤングケアラー

恐喝

暴力

児童労働

未成年飲酒

今の時代、様々な問題に引っかかりそうです。

パ「今の時代では完全にアウトやな。」

私「TV放送は無理かなあ。」

動画配信サービスで観ることは可能のようですが、TV放送はコンプライアンス的に難しい内容だと思います。

※調べてみると、2021年3月にサンテレビで再放送されたそうです。

 

そんなハチャメチャな物語ですが、私は同級生が『なかよし』や『りぼん』を読んでいた小学生時代に『じゃりン子チエ』の漫画を読んでいました。

当時、我が家は父親が単身赴任中で母親は3交代制の看護師。

母親が夜勤で不在の時、それまでは同居していた父方の祖父が私達姉妹の面倒を見てくれていましたが、私が5年生の時に亡くなりました。

夜勤の時の夕食はカレーやシチュー、おでんなどの温めたら食べられるものを用意しておいてくれたので、それらを温め直し器に入れて妹と2人で食べました。

当時はまだ電子レンジはありません。

※その辺りの話はこちら

 

shanru.hatenablog.com

 

その後はお風呂の準備や、小学校が制服だったのでブラウスなどのアイロンがけ。

目覚まし時計を2つ用意して朝は起きていました。

朝食の準備をして妹と供に食べ、登校します。

小学2年生の妹はほぼ役には立ちません。

当時は借家に住んでいたのですが、祖父が昔に商売をしていた関係でやたらと広く、私が生まれる前から『開かずの間』になった数部屋とそれらに通じる『通らずの階段』もありました。

母親が夜勤で不在の時、夜はそれらの存在が不気味でものすごく怖かった記憶があります。

少しの物音で起きていました。

未だにその家の夢を見ることがあります。

 

そんな時に出会ったのが『じゃりン子チエ』の漫画。

小学5年生の女の子が親を養い、様々なトラブルにも逃げることなく時には両手に下駄を持って立ち向かいます。

ウチがしっかりせなアカンのや!

というチエちゃんの姿勢に、どこか自分を重ね合わせていたのかもしれません。

もちろん私は両親に養われており、チエちゃんのような過酷な環境ではありませんでしたが、どこかで

私がしっかりせなこの家は回らんのや!

と思っていた部分があり、お小遣いを手に本屋さんに行って『じゃりン子チエ』の単行本を買い、夢中で読んでいました。

 

私が中学に進学するタイミングで、娘2人だけで夜を過ごさせる事を心配し、母方の祖父母が近くに住む今の土地に引っ越すことになりました。

いざという時、頼れる人が近くにいる。

という事は、絶大な安心感に繋がりました。

中学生になって、勉強や部活に忙しくなったのと近くに本屋さんがなかった事もあり、新たに単行本を買うことはなくなりました。

たまに読み返すことはありましたが、小学生の頃の『共感』を得ることはなくなっていました。

近くに頼れる人ができたという環境の変化によって、かつての

私がしっかりせなこの家は回らんのや!

という気持ちが薄らいだのだと思います。

 

あの当時は1人で懸命に頑張っていたのだという思いしかなく、夜間に小学生の娘2人を置いて仕事に行かなければならなかった親の気持ちはわかりませんでした。

自分が親となり、それがどんなに辛いことか、どんなに心配した事かと思い至るようになりました。

 

帰宅して単行本を探しましたが、捨ててしまっていたようで見つかりませんでした。

おそらく、今の私が『じゃりン子チエ』の漫画を読んでもやっぱり共感することはないかと思います。

けれど小学生だった私の心の支えになってくれた『じゃりン子チエ』には本当に感謝しています。