コロナ禍により3大会が中止となっていた、医学生による医学生のためのスポーツ大会『西医体』『東医体』が8月に入り、各地方で開催されています。
西医体は今年で第75回、東医体は第66回の長い歴史を持つ大会であり、西医体は44大学から約18,000人、東医体は38大学から約15,000人という国体に次ぐ規模を誇る大会だそうです。
コロナ禍で3大会が中止になったので、部活の主体となっている4年生自体が各医体に参加した経験がなく、前大会から経験を引き継ぎできなかった中での開催になります。
2年生の息子も初めての参加となりました。
ハハはこの猛暑の中、熱中症の恐怖と戦いながら観戦してきました。
競技観戦以外の感想は
暑い・遠い・疲れた
以上。笑
以下は観戦記となります。
移動の詳細はすっ飛ばして(これが一番キツかった!)、競技会場に到着。
息子は既に出場の準備をしている時間だろうなあと思いましたが、
今着きました
とりあえず、今できるすべてを出しきっておいで
とLINEしました。
息子は試験が終わり、夏休みに入ってこの大会に向けての練習を積もうとしている最中にコロナに感染しました。
※その辺りの話
療養期間が明けすぐにトレーニングを開始しましたが、既に大会はあと2週間に迫っていました。
高熱で予想外に体力が消耗しており、最初は準備運動ですら目眩がしていたとか…。
何とか練習を開始しましたが、やはり身体がいつも通りでなく今度は熱中症に…。
病院で点滴を受けたそうです。
そんな事もあって、最後までこの大会に出場するか悩んでいました。
出場したところで本来の力を発揮することはできない事は明らか。
けれど、来年の○医体のために出場を決めたようです。
実際に出場しなければ、心と身体の準備、本番に至るまでの過程を経験することはできません。
さて本番。
息子が登場しました。
コロナ療養中は食欲は落ちることはありませんでしたが、その後の急激な追い込みが影響して体重は3キロほど落ちたそうです。
元々が小柄なのに、パッと見ただけでも一回り小さくなっていました。
大学生の中にポツンと中学生が紛れているみたい。
これはもう、とりあえず無事に競技を終えることを願うしかない。
そんな状態に見えました。
競技開始。
前半は久しぶりに息子らしい、伸びやかな動きが見えました。
いい感じに動けてる!
そう思ったのもつかの間、やはり体力が持たずに後半はズタボロになりました。
まあでも前半の動きを見ると、今後に繋がる動きができているように感じました。
前半は全盛期みたいにいい感じだったよ!
しっかり身体を作り上げてまた頑張れ!
と息子にLINE。
しばらくすると息子が観客席にやってきました。
息子「ギリで決勝に残ってしまった…。」
私 「マジで?」
息子「身体もボロボロだし、棄権しようかな…。」
私 「好きにしたらいいよ。けれど来年はもちろん上位入賞を目指すんでしょ?」
「だったらボロボロでも決勝は経験しておいた方がいいと思うけど。」
「決勝までの段取りや準備時間、内容は決勝に出ないと経験できないと思う。」
息子「それもそうやな。よし、ぶっ倒れてもいいか。出るわ!」
私 「おう。出てこい!」
「決勝はまた雰囲気が全然違うって事は、君が一番知っているはず。」
※その辺りの話
ただ、本人も決勝に残ることは想定していなかったので食料が不足。笑
近くにコンビニ等もなかったので、持っていたおにぎりを1つ息子に渡しました。
息子は決勝に向けて準備を開始することになりました。
私も息子が決勝に進むことは想定していなかったので、慌てて帰りの電車を調べました。
何とか帰れる事を確認し、ほっとしました。笑
そこから決勝までは約3時間!
暑さでウロウロする気力もなく、少しでも涼しい所を探してボーッと座り決勝を待ちました。
決勝の時間になりました。
やっぱり決勝は独特の雰囲気があります。
応援する方も、キュッと胸が詰まるような感覚があります。
もう何度もこういった経験をしているはずなのに、何度経験しても慣れません。
親なんて、そういうふうにできているのかもしれません。
決勝が始まりました。
前半は、予選と同じような伸びやかな動きが見られました。
後半はもう『息も絶え絶え』とはこの事をいうのか、という感じ…。
競技が終わり、息子は会場の端までフラフラと移動して倒れ込みました。
この競技を始めて約10年。
息子が倒れ込む姿を初めて見ました。
それは何も残すことなく、今の全てを出し切った証。
倒れ込む息子に同じ大学の仲間達が駆け寄り、介抱してくれました。
息子が立ち上がったのを見届けると、駅までダッシュ。
駅のホームで息子に
最後までよくやったよ!
ハハは感動した!
そうLINEをして電車に飛び乗りました。
実力を発揮できないのなら、出場はすべきではなかったのかもしれません。
けれど、来年の上位入賞を目指すための経験を積むという息子の選択。
決して間違いではなかったとハハは思います。