shanの雑日記

子育ての振り返りから日々の雑感など

父の入院で思う事 ~後編~

こちらの続きです。

 

shanru.hatenablog.com

 

「このままでは、ひと月持ちません。」

と言われたことは妹から聞いていたので、そういう連絡があるかもしれないと覚悟はしていました。

けれど、ひと月経っても何も連絡はなし。

息子からのLINEで

「じいじ、またタクシーに乗りたいって言ってるってばあばが言ってた。」

と知りました。

父は前職を早期退職後に二種免許を取得し、入院するまでタクシーの運転手をしていました。

馴染みのお客さんもいて、休みの日にも配車依頼の電話がかかってきていました。

その仕事に復帰したい一心でそこそこ食事をとり、リハビリにも取り組んでいたらしい。

前職では度重なるストレスと元々の頑固さもあり、好き勝手な事をし、母や妹にも厳しく当っていたこともあったそうです。

私は進学で実家を出ており、進学前は父は単身赴任で家に居なかったので当時の様子はわかりません。

私が離婚して実家に戻った時はタクシーの運転手になったばかりの頃なので、その状況は知りません。

息子にはメロメロだったので、息子の前で大声を上げることもなかったし。

母と妹が父に対する思いは一致しています。

あれだけお山の大将気取りで好き勝手してきて、介護が必要になっても面倒は見れんわ!

というもの。

それだけの事をしてきて、また散々色々と言ってきたのでしょう。

私にしても、できる事は限られています。

また積年の恨みか、息子が成長するにつれて母の父に接する態度が年々酷くなっていたこともあり、せめて2人の橋渡し役になればと思い実家にいた私も追い出されたので、状況は悪化することはあっても好転することはないはず。

なので父が退院しても、どこか施設のお世話になるのかなあと考えていました。

 

息子からの退院の知らせがあった翌日、母から

「じいじが退院します。部屋を片付けたらあなたの荷物が出てきたので選別して下さい。」

と連絡がありました。

『部屋を片付ける』って事は家に帰ってくるの?

疑問に思いながら、先日久しぶりに実家に向かいました。

実家に着くと母は不在でした。

鍵の隠し場所は知っているので勝手に鍵を開けて中に入ると、玄関先に荷物が積まれていました。

これを選別しろというのでしょう。

ガサガサしているところに母が帰宅しました。

部屋を片付けると言う事は、自宅に帰ることなのかと聞きました。

母はそうだと答えました。

 

私「家に連れて帰ってきて面倒みれるの?」

 「トイレとかお風呂とか大丈夫?」

母「トイレは自分で行けるみたいだし、お風呂も少し介助すればいけそう。」

私「ご飯も3食用意できるの?」

我が家は長い間、朝食と昼食は各自用意して夕食のみ一緒。(私と息子は常に一緒)

とにかく父は自分の食べられるものしか食べないので、せっかく作っても全く箸をつけないこともしばしば。

なので私が夕食を作るときは『お供え』だと思って作っていました。

そう思えば箸を付けなくても腹は立ちません。

しかし母は50年以上連れ添っていても、失礼だと言ってよく怒っていました。

そんな状態で3食も用意できるのか?

そう思いましたが、自宅に連れて帰るという事はそのつもりなのでしょう。

退院後はてっきり施設のお世話になるとばかり思っていたので驚きました。

母「あんたの面倒なんて、一切見ないからな!」

と父に向かって啖呵を切っていたのを散々見ていたので…。

 

なぜ、母の気が変わったのかはわかりません。

母も看護師として働いてきたので介助は素人ではないけれど、その大変さもよく知っているはず。

けれど母には思うところがあって、自宅に連れて帰る決断をしたのだと思います。

畑に旅行に未だに仕事にと、パワフルに生きているので自分の体力的にもまだ大丈夫だと思ったのかもしれません。

私「絶対に無理はしないでよ。ばあばまでひっくり返ったら○○(息子)が悲しむよ。」

『私が心配している』と言うより『息子が心配する』と言った方が効き目があるでしょう。

母「無理はしないよ。ありがとう。」

約7ヶ月ぶりにした会話です。

 

現実的に言って、75歳を過ぎた父親がリハビリを頑張っても仕事に復帰できるとは思いません。

それに人の命を預かる仕事なので中途半端な状態では復帰してはいけないし、そこは家族として止めなければならないと思います。

けれど父には『復帰したい』と希望を持ってリハビリに励み、前を向いて頑張って欲しい。

母にはとにかく無理はしないで欲しい。

できればこの機会に、長年にわたる2人の溝が少しでも狭まって欲しい…。

 

『出て行け』と言われた身でどこまで関わって良いのかよくわかりません。

妹と連携を取り、いつでも駆けつける心積もりはしておきたいと思います。