ここのところ忙しそうな息子。
それでもハハを気遣ってか、たまに息子発信のLINEを送ってくれます。
それに即レスするも息子の返信は遅いので、1つの話が完結するのに2・3日かかることもしばしば。笑
最近は解剖実習が始まり、疲れもあるようです。
疲れた!
今日はメッチャ疲れた!
とか言いながら、
今からちょっとトレーニングしてきます
とのLINEあり。
確かに、ちょっとした運動は疲労回復には良いだろうけれど…。
医学部は2年生になると、人体を使った解剖実習が行われます。
『より良い医師になるために、自分の身体を使って勉強して下さい』
という願いを込められ、献体されたご遺体によって学習が進められます。
実習は少人数の班に分かれて行われ、1つの班に対して1人のご遺体が割り当てられます。
それぞれに担当部位があり、みな真剣にご遺体に向き合い実習を進めているそうです。
実習は長時間立ちっぱなしの体力・集中力も重要となるし、繊細さと力強さも必要とのこと。
力ずくでは切ってはいけない所を切ってしまう恐れもあるので、力を入れつつも慎重な作業が求められます。
毎回実習が終わると指がバキバキに強ばり、緊張から開放されるのかドッと疲れが押し寄せるそうです。
中にはそういった緻密な作業が苦手な人もいるので、班内でフォローしながら取り組んでいるとのこと。
解剖実習に気分が悪くなる学生がいると聞きますが、息子クラスでは最初に1人だけ席を外したものの、次回からは復帰したそうです。
息子自身は大丈夫だったと。
実はちょっと心配していました。
解剖実習が始まる前、数日間の病院実習がありました。
病院実習といっても2年生なので何もできず、ジャマにならないように見学させていただくのみ。
初日はカテーテル処置を見学させていただいたそうです。
その処置の見学の最中に息子は気分が悪くなり、そーっと退出したとのこと。
息子はそういった事は大丈夫なタイプだと思っていたので、これには正直ビックリしました。
息子自身も驚いたみたい。
自分は大丈夫なタイプだと思っていたので、報告のあったLINEでは少し凹んでいました。
ここで、
えっ!どうした?大丈夫?!
なんて騒いだら余計に凹むだろうと思ったので、
初めてのことだから仕方ないよ。
場の雰囲気にのまれたっていうのもあるだろうし。
気にせず、次いってみよう!
と努めて明るくLINEを送りました。
そんな事があったので解剖実習はどうなるかと密かに心配していましたが、大丈夫とのことなのでホッとしました。
解剖実習の始まる前と終わった後には必ずご遺体に手を合わせます。
最初は先生に言われたので手を合わせていたそうですが、回を重ねるにつれ、
今日も学ばせていただきます。
ありがとうございました。
と自然に感謝の気持ちから手が合わさるのだそうです。
『学ばせていただく』という気持ちが強くなったのだと思います。
解剖実習だけではありません。
先の病院実習でも、1日外来診療に同席させていただいたそうですが、
「今日は勉強のため、医学生を同席させて下さいね。」
と担当医が患者さんを迎える度に許可を取ると、患者さんは誰一人イヤな顔をすることなく、
「どうぞどうぞ。しっかり勉強して〇〇先生(担当医)みたいに立派なお医者さんになって下さいね。」
と快く同席させていただいたそうです。
ガツガツと勉強するのはもちろん1人。
数ある試験を突破するのも自分自身との戦い。
けれど、決して自分1人の努力だけでなく、
様々な機会で学ばせていただけるからこそ自分の進む道が拓ける
という事を、改めて気付かされた実習となったようです。